医療現場における電話対応は、患者との信頼関係を築く重要な要素の一つだ。新人看護師にとって、電話対応は特にストレスを感じやすい業務であるが、基本的なポイントを押さえることで、自信を持って対応することができるだろう。電話を受けた際は、所属と名前を明確に伝えることが基本だ。「○○病院△△病棟の看護師□□です」という具合に、相手に安心感を与える第一歩となる。声のトーンは明るく、はっきりと話すことを心がける。これは患者や家族に対して、誠実な印象を与えることにつながる。
電話での会話中は、メモを取る習慣を身につけよう。患者の名前や用件、連絡先などの重要な情報を確実に記録することで、後のトラブルを防ぐことができる。また、聞き取りづらい場合は、恥ずかしがらずに「申し訳ありません、もう一度お願いできますでしょうか」と確認することもポイントだ。
特に、注意すべき点は、医療情報の取り扱いである。個人情報保護の観点から、患者の情報を電話で伝える際は、周囲に聞こえない場所で対応することが必要である。また、不確かな情報を安易に伝えることは避け、必要に応じて上司に確認を取ることが望ましい。電話を切る際は、相手の用件が完全に解決したことを確認してから終えることも重要だ。「他にご用件はございませんか」と確認し、丁寧にお別れの言葉を述べる。このような細やかな配慮が、医療従事者としての信頼性を高めることにつながるだろう。
電話対応は実践を重ねることで必ず上達する。初めは緊張するかもしれないが、基本的なマナーを意識しながら、一つひとつの対応を大切にすることで、自然と身についていくものなので、めげずに電話を取っていってほしい。